美術品の税務上の取り扱いとは
新型コロナウィルス感染拡大の中外出回数が減ったなか、せめて室内で絵画でも飾って気を紛らわせるという社長は多いかもしれません。
こうした美術品を法人で買った時には、その美術品の価値が100万円以上であるかどうかで税務上の扱いが変わることを覚えておきたいところです。
100万円以上の絵画であるか
美術品の価値が1点100万円未満であれば、減価償却資産として耐用年数に応じて損金算入できる可能性が高いと言えます。
その場合の耐用年数は、金属製の彫刻などであれば15年、その他の絵画・陶磁器・金属製でない彫刻は8年となっています。一方、1点100万円以上の美術品は減価償却できません。その理由は、優れた美術品は年数が経っても価値が減らないとみなされるからです。
もっとも、この「100万円基準」も絶対ではありません。例えば100万円未満であっても時の経過により価値が減少しないことが明らかであれば、減価償却することはできません。
【参考】
国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm
逆に100万円以上でも、会館のロビーや葬祭場のホールのような、不特定多数が利用する場所の装飾用として取得されたものなどは、年数に応じた劣化が確実なため、減価償却が認められています。
では社長室の絵画はと言うと、不特定多数の人間が利用する場所ではないので、100万円以上のものなら減価償却することはできないでしょう。ちなみに100万円の範囲には、額縁や運送にかかった費用も含まれます。