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国税庁、55万件もの海外口座に調査の手が

富裕層の海外口座

富裕層等の海外口座情報を入手

国税庁では、各国の税務当局と情報を交換するCRS制度を活用し、日本人が保有する55万件超の海外口座の情報を入手したと公表しました。驚くべき件数の海外口座情報のやり取りが行われていることがわかります。

 

世界各国と定期的に情報交換

CRSとは、簡単に言うと、金融機関が非居住者の金融口座情報を税務当局に報告、これを世界各国の税務当局間で互いに提供するという仕組みの事です。これまで、海外で開設された銀行口座情報について国税庁が直接把握することは簡単ではありませんでしたが、この仕組みによってスムーズな銀行口座の情報交換が容易になることが予想されます。

日本もCRSに参加ているため、海外口座の情報は今後も定期的に日本と海外各国との間で自動交換され、富裕層が国外に持つ各種資産の情報も交換も行われていると考えられます。

詳しく述べると、CRS:共通報告基準とは、経済協力開発機構(OECD)が策定した国際的な租税回避防止制度のことです。

CRSを適用する国同士が、それぞれの国の金融機関に開設された相手国居住者の口座情報を、年に一回、自動的に交換するという流れになります。

 

約55万件もの海外口座情報

国税庁によればCRSを使った初回の情報交換で、64の国・地域から邦人が現地に持つ銀行口座の情報、約55万件を入手した模様です。

一方、日本から海外への情報の流れとして、58の国・地域に対して国内にある金融口座情報を提供した模様です。

地域別で見ると、次のような内容となります。

  • アジア・大洋州(太平洋上の国家など):約29万超
  • 欧米・NIS諸国(旧ソ圏)が約20万超
  • 英領バージン諸島やケイマン諸島を含む北米・中南米:約4万超

現在、日本と自動的な情報交換を行う体制が構築されているのは88の国・地域ですが、今後さらに増加し、ナイジェリアやカメルーンなどのアフリカ諸国、フィリピンやタイなどのアジア諸国の参加も

国税庁は、受領した金融口座情報をもとに、国外送金等調書、国外財産調書、財産債務調書の他、様々な情報を分析し、海外への資産隠しや国際的租税回避行為に対応していことが予想されます。

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